頚椎症性神経根症に対する鍼灸

頚椎症性神経根症

こんにちは。
行徳の鍼灸院【はり温灸治療院カラダノミカタ】です
今回も前回に引き続き【頚椎症性神経根症】の記事を書きたいと思います。

頚椎神経根症は、加齢による椎間板や靭帯、骨の変性といった静的圧迫因子と頚椎の後屈動作などの動的因子により発生します。

頚椎症性神経根症は、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどが原因となっており、麻痺の範囲などから神経根の高位を診断できます。

頚椎症性脊髄症では、上肢のしびれに加え、進行すると手足の麻痺、膀胱直腸障害などの重篤な症状が出ます。

頚椎の加齢変性は、腰椎に比べて遅いため、頚椎症性神経根症は40代~60代に多く発症します。
症状は頸部痛に始まり、やがて上肢痛や手指のしびれを生じます。

頚椎の椎間板、ルシュカ関節、椎間関節などに生じた加齢変性は、椎間板の膨隆、靭帯の肥厚、骨棘形成の要因となり、やがて脊髄を圧迫することになります。

【頚椎症性神経根症の症状】
頸部は頭部と体幹の間に位置し、1200~1400gと言われる脳を支えると同時に上肢も懸垂しています。また可動域が大きいために負担がかかりやすく、障害されやすいとされます。
頸部は頭部と体幹部と上肢を結んでいるので、痛みがあるのは頸部なのか、頸部より上方、側方、下方に症状があるのか着目します。

上方に痛み、めまい、吐気などの症状を訴える場合には頸部交感神経、椎間動脈の循環障害などが考えられます。
下方に歩行障害、頻尿、排尿遅延などの膀胱直腸要害を訴える場合、脊髄に起因する神経症状を考えます。

側方の放散痛、感覚異常、運動麻痺は神経根に起因する神経症状を考えます。
側方の症状で頚椎症性神経根症では、上肢、前腕、手指などに痛みやしびれを生じます。
脊髄に問題が生じると手指全体の感覚鈍麻、しびれ感、手指巧緻運動障害、内在筋の萎縮がみられます。

頚椎症性神経根症と頚椎症性脊髄症は治療方針が異なり、頚椎症性神経根症の多くは保存療法で改善、治癒します。これに対して頚椎症性脊髄症では脊髄の圧迫に応じて適切な時期に手術をおこなわないと手術をしても回復不能の後遺症を生じます。

鍼灸では、上肢のしびれ、痛みがある場合、頸部の前屈、後屈、回旋時に痛みが生じる場合、肘周囲の圧痛が強い場合、頸部後屈で痛みを生じた場合など有効。
それらを対応する筋肉として、板状筋、僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋があり、これらに鍼を刺すことで治癒します。

この記事を書いた人

千葉県市川市行徳|行徳駅から徒歩3分の鍼灸院【OFFICE TOSHIKI NASU(CHIBA)】です。

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